
フィリピンへ行くと、「思っていた以上にスマートフォンで支払っている人が多い」「お店のレジにQRコードが置いてある」と感じることがあります。
フィリピンではGCashやMayaなどのe-wallet(電子ウォレット)が広く利用され、QRコードを使った支払いも珍しくありません。フィリピン中央銀行(BSP)の2024年の集計では、小売決済の57.4%が取引件数ベースでデジタル化されています。
一方で、すべての支払いがキャッシュレスになったわけではありません。現金が必要な店や交通手段もあり、フィリピン留学では現金、クレジットカード、デジタル決済を場面によって使い分けます。
フィリピンではSNSも日常的に使われています。FacebookやMessengerをはじめ、TikTok、YouTube、Instagramなどが広く利用され、友人との連絡や学校・店舗の情報収集にもSNSが使われています。
この記事では、フィリピン留学専門エージェントのファーストイングリッシュが、GCash・Maya・QR Phなどのキャッシュレス決済と、Facebook・MessengerをはじめとするフィリピンのSNS事情をご紹介します。
Contents
フィリピンではキャッシュレス決済がどこまで普及している?

「フィリピンは現金社会」というイメージを持っている方もいるかもしれませんが、デジタル決済はここ数年で大きく広がっています。
ただし、現在のフィリピンは完全なキャッシュレス社会ではなく、現金とデジタル決済の両方が使われています。
小売決済の半分以上がデジタル決済になっている
フィリピン中央銀行(BSP)の2024年のReport on E-Payments Measurementによると、小売決済全体に占めるデジタル決済の割合は、取引件数ベースで57.4%、金額ベースで59.0%となっています。
2013年には、小売決済のうちデジタル決済が占める割合は約1%でした。2013年から2024年までの変化を見ると、キャッシュレス化が急速に進んだことが分かります。
ショッピングモールやチェーン店だけでなく、QRコードを店頭に置いて支払いを受け付ける小規模な店舗もあります。
現金がなくなったわけではなく今でも必要な場面はある
デジタル決済が半分を超えたからといって、「フィリピンでは現金を持たなくても生活できる」という意味ではありません。
小さな商店、屋台、ローカルな交通機関などでは、現金で支払う場面があります。通信状況や店舗側の端末の状態によって、普段はキャッシュレス対応でも一時的に現金が必要になることもあります。
そのため、フィリピン留学中はクレジットカードだけを持って外出するのではなく、少額のペソも持っておくのが現実的です。
現金が足りなくなったときのATM操作や手数料については、フィリピンATMの使い方|英語画面の操作・手数料・引き出せないときの対処法で詳しくご紹介しています。
フィリピン政府もキャッシュレス化を進めている
フィリピンでは民間サービスだけでなく、政府もデジタル決済の利用を進めています。
2022年のExecutive Order No.170では、政府機関に対して支出や料金徴収でデジタル決済を利用する方針が示されました。実施規則では、デジタル決済に加えて現金など従来の支払い方法も受け付けるとされています。
また、BSPとDILG(内務・地方自治省)は「Paleng-QR Ph Plus」を進め、市場の店舗やローカル交通などでもQR決済を使いやすくする取り組みを行っています。
BSPによると、2026年8月31日時点で、このプログラムに参加または対象となる地方自治体(LGU)は1,588となっています。
フィリピンでは、大型モールやオンラインサービスだけでなく、市場での買い物や地域交通にもQR決済の対象が広がっています。
フィリピンでよく使われるGCash・Maya・QR決済とは?

フィリピンのキャッシュレス生活を知るうえで、よく目にする名前がGCashとMayaです。
さらに、異なる銀行やe-walletの間でもQRコードで支払いやすくする仕組みとして、QR Phがあります。
GCashは送金・支払いなどに使われる代表的なe-wallet
GCashは、フィリピンで利用されている代表的なe-walletの一つです。
スマートフォンから送金したり、店舗でQRコードを読み取って支払ったり、公共料金を支払ったりすることができます。
GCash公式では、これまでに9,400万人のフィリピン人がGCashを利用し、600万の加盟店・ソーシャルセラーがあると案内しています。
フィリピンでは、レジの横や小さな店舗で「GCash」のQRコードを見かけることがあります。
日本人渡航者も利用対象となっているGTouristがあり、2026年9月時点では日本も対象国に含まれています。外国人渡航者がフィリピン国外の携帯番号と本人名義のVisaまたはMastercardを使ってGCashで店舗決済を行える仕組みで、アカウントの有効期間は30日間です。
31日以上滞在する場合は、GTouristだけに頼らず、現金やカードも用意しておく必要があります。
Mayaは決済とデジタル金融サービスを一つのアプリで利用できる
Mayaもフィリピンで使われているデジタル金融サービスです。
アプリから送金したり、QRコードで店舗へ支払ったり、オンライン決済に利用したりできます。Mayaアプリではe-walletに加え、Maya Bankによる預金などのデジタルバンキングサービスも利用できます。
店舗では「Maya」の表示がある決済端末やQRコードを見かけることがあります。
Maya公式では、外国籍の利用者がアカウントをアップグレードする際の本人確認書類としてパスポートを受け付けています。ただし、登録条件や利用できる機能は変更されることがあるため、実際に利用する際はアプリの最新案内を確認してください。
QR Phなら対応する銀行やe-walletからQRコードで支払える
フィリピンで店舗のQRコードを見ると、「GCash専用なのか」「Maya専用なのか」と迷うことがあります。
QR Phは、フィリピンで採用されている全国共通のQRコード規格です。
QR Phに対応していれば、店舗側と利用者側が同じ銀行や同じe-walletを使っていなくても、対応する銀行アプリやe-walletからQRコードを読み取って支払えます。
BSPは、QRコードを使った決済サービスを提供する対象事業者にQR Phの採用を求めています。
レジに複数の決済会社ごとのQRコードを並べるのではなく、共通のQRコードから支払えるようにすることで、店舗側にも利用者側にも使いやすい仕組みになっています。
フィリピン留学中もキャッシュレスだけで生活できる?

現地でキャッシュレス決済をよく見かけても、日本人留学生が現金をまったく持たずに生活するのはおすすめしません。
特に短期留学では、現地のe-walletを登録する手間も含めて考える必要があります。
モールやチェーン店ではデジタル決済を見かける機会が多い
大型ショッピングモール、スーパーマーケット、カフェ、レストラン、コンビニなどでは、カードやQRコードなど複数の支払い方法に対応している店舗があります。
レジ周辺を見ると、GCash、Maya、QR Phなどのロゴが表示されていることがあります。
フィリピン人がスマートフォンを出してQRコードを読み取り、そのまま会計を済ませる光景も珍しくありません。
こうした店舗では、現金以外の支払い方法を選べます。
小さな店舗やローカル交通では現金が必要な場面もある
一方、小規模な店舗やローカルな交通では現金が必要になることがあります。
QRコードが置かれていても、通信状況によって決済が進まない場合や、店舗側から現金での支払いを案内される場合もあります。
ジプニーなどを利用するときにも、小額紙幣や硬貨があると使いやすいでしょう。
「QRコードが普及しているからペソは不要」と考えず、キャッシュレス決済を利用する場合でも現金を持っておくのが現実的です。
日本人留学生は現金・カード・デジタル決済を使い分ける
フィリピン留学中は、支払い方法を一つに絞る必要はありません。
少額の買い物やローカル交通では現金、大型店やホテルではクレジットカード、利用条件を満たしている場合はGCashやMayaなど、その場に合った方法を選べます。
短期留学生であれば、新しくe-walletを作らなくても、現金と海外利用できるクレジットカードやデビットカードを組み合わせれば生活できます。
一方、GCashのGTouristなど外国人向けサービスを利用できる場合は、フィリピンのQR決済を利用できます。
セブ島での移動や食事では、配車・デリバリーアプリもよく利用されます。Grabについては、フィリピン生活で便利なGrabとは?配車・フードデリバリー・買い物でできることも参考にしてください。
フィリピンではSNSがどれくらい身近?

フィリピンでは、キャッシュレス決済だけでなくSNSも広く使われています。
友人との連絡だけでなく、学校、店舗、イベントなどの情報収集にもSNSが使われます。
インターネット利用者の多くがSNSを利用している
Digital 2026によると、2025年10月時点でフィリピンのインターネット利用者は約9,800万人でした。
同じ時点のSNSユーザー・アイデンティティは約9,580万件で、人口の81.9%に相当します。DataReportalでは、インターネット利用者の97.7%が少なくとも1つのSNSを利用していたとしています。
ただし、この「SNSユーザー・アイデンティティ」は、一人ひとりを完全に重複なく数えた人数ではありません。同じ人が複数のアカウントやサービスを利用している場合などもあるため、「フィリピン人の81.9%が必ずSNSを使っている」とそのまま読む数字ではありません。
それでも、フィリピンでSNSが広く使われていることは分かります。
FacebookとMessengerが連絡手段として身近
フィリピンで広く使われているSNSの一つがFacebookです。
Digital 2026では、Metaの広告ツールをもとにしたFacebookの広告到達可能ユーザーが2025年後半に約9,580万人とされています。
Messengerについても、広告到達可能ユーザーは約6,580万人でした。
これらは月間アクティブユーザー数そのものではありませんが、広告到達可能数の大きさからもFacebookやMessengerの利用規模の大きさがうかがえます。
留学中にフィリピン人講師や友人と仲良くなると、Facebookでつながったり、Messengerで連絡を取り合ったりすることもあります。
TikTok・YouTube・Instagramも広く使われている
フィリピンで利用されているSNSや動画サービスはFacebookだけではありません。
Digital 2026では、TikTokの広告ツールで18歳以上の利用者への到達可能数が約6,400万人、YouTubeは約5,960万人、Instagramは約2,690万人と報告されています。
いずれも広告配信ツールをもとにした数字であり、実際のアクティブユーザー数と完全に同じではありません。
それでも、短い動画を見る、YouTubeを視聴する、写真や動画をInstagramへ投稿するなど、動画視聴や写真投稿に複数のサービスが使われています。
フィリピン留学中に感じるSNS文化とは?

留学中は、統計を見なくてもSNSの利用の多さを感じる場面があります。
講師との連絡や学校・飲食店の情報確認でSNSを目にします。
講師や友人とFacebook・Messengerでつながることがある
フィリピン留学では、担当講師や現地で知り合った友人とFacebookなどを交換することがあります。
帰国後もMessengerで連絡を取り合えば、フィリピンでできた友人との交流を続けることもできます。
もちろん、講師と生徒のSNS交換について学校独自のルールがある場合は、そのルールに従ってください。
SNSでつながりたくない場合は、無理に自分のアカウントを教える必要はありません。
学校やレストランもSNSで最新情報を発信している
フィリピンの語学学校では、FacebookやInstagramなどで学校生活、イベント、キャンペーン、休校情報などを発信することがあります。
レストランやカフェなどでも、新しいメニュー、営業時間、臨時休業、イベントなどをSNSで告知している店舗があります。
そのため、フィリピンでお店について調べるときは、公式サイトだけでなく公式FacebookやInstagramも情報の確認先になります。
留学先の学校がどのSNSを使っているのか確認しておくと、学校からの最新情報を確認する手段として使えます。
写真投稿では相手の了承やプライバシーにも配慮する
留学中は講師や友人と写真を撮る機会も増えます。
一緒に写真を撮ったからといって、その写真をSNSへ公開してよいとは限りません。
顔がはっきり写っている写真や、学校内、授業中、寮の部屋などで撮影した写真を投稿するときは、写っている相手に投稿してよいか確認し、学校の撮影・投稿ルールにも従ってください。
特に子ども、ほかの留学生、学校スタッフなどが写っている場合は、相手の了承を得ずに公開しない方がよいでしょう。
投稿するときは、相手のプライバシーにも配慮しましょう。
まとめ|フィリピンでは現金とデジタルが共存しSNSも生活に深く入っている

フィリピンではキャッシュレス化が進み、2024年には小売決済の57.4%が取引件数ベースでデジタル決済になりました。
GCashやMayaなどのe-wallet、銀行やe-walletをまたいで利用できるQR Phも広がり、モールや飲食店などでQRコードを使って支払う場面があります。
一方で、現金が不要になったわけではありません。小さな店舗やローカル交通など、ペソで支払う場面も残っています。
SNSでは、Facebook、Messenger、TikTok、YouTube、Instagramなどが広く利用されています。
フィリピン留学では、QRコードで支払う人を見たり、学校やお店の情報をSNSで調べたりと、支払いと情報収集の両方でスマートフォンを使う場面の多さを実感できます。
ファーストイングリッシュでは、語学学校の授業や料金だけでなく、現地での支払い方法、買い物、通信環境、学校周辺の生活についても留学前からご案内しています。
「現地では現金をいくら用意すればいい?」「クレジットカードだけでも大丈夫?」「フィリピンでスマートフォンをどう使えばいい?」といったご相談も、お気軽にお問い合わせください。
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