フィリピンの小学校・中学校・高校は、それぞれ何年間通うのでしょうか。日本の「小学校6年・中学校3年・高校3年」に対し、フィリピンの基本的な区分は「小学校6年・中学校にあたるJunior High School 4年・高校にあたるSenior High School 2年」です。
小学校入学から高校卒業までの修業年数は、日本もフィリピンも12年間ですが、学校段階の区切りが異なります。「Grade 10は日本の何年生?」「High Schoolは日本の高校と同じ?」という疑問も、この違いを知ると理解しやすくなります。
この記事では、フィリピン留学専門エージェントのファーストイングリッシュが、現地の子どもが通う学校の制度と学年、授業、学校生活を紹介します。2026年9月時点のフィリピン教育省(DepEd)の情報をもとに、フィリピンの基礎教育課程を採用する学校について解説します。
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フィリピンの学校制度と学年・年齢|日本の小学校・中学校・高校との違い
フィリピンの基礎教育は「K to 12(K–12)」と呼ばれます。KはKindergartenを指し、原則5歳からの幼稚園教育1年間と、その後のGrade 1〜12を合わせた仕組みです。日本語では「幼稚園1年・小学校6年・Junior High School 4年・Senior High School 2年」の「1-6-4-2制」と表されることもあります。
小学校はElementary School、中等教育はJunior High SchoolとSenior High Schoolに分かれます。日本のように中学校で1年生、高校で再び1年生と数え直すのではなく、小学校から高校まで学年の数字が続くことも特徴です。
小学校は6年間|Grade 1〜6と年齢の目安
フィリピンの小学校は、日本と同じ6年制です。年齢の目安では、Grade 1は日本の小学1年生、Grade 6は小学6年生におおむね相当し、通常は幼稚園課程を修了してから進みます。
Grade 1への入学年齢は一般に6歳です。標準的な進み方では、Grade 1で6〜7歳、Grade 2で7〜8歳となり、Grade 6では11〜12歳になります。小学校段階は、日本の学年と年齢を対応させやすい部分です。
ただし、これは標準的な目安です。誕生日と入学時期の関係、就学開始の時期、進級の経過によって、同じ学年でも年齢は異なります。学年は年齢だけで決まるものではなく、それまでに修了した課程も関係します。
中学校にあたるJunior High Schoolは4年間|Grade 7〜10
小学校を卒業すると、Grade 7〜10のJunior High Schoolへ進みます。日本語では「中学校」と説明されることが多い段階ですが、修業年数は3年間ではなく4年間です。標準的には12歳ごろに入り、16歳ごろに修了します。
年齢を基準に日本の学年と比較すると、Grade 7は日本の中学1年生、Grade 8は中学2年生、Grade 9は中学3年生、Grade 10は高校1年生に相当します。日本なら高校生になる年齢でも、フィリピンではJunior High Schoolに在籍します。
そのため、Junior High Schoolを単に「中学校」と訳すと、Grade 10の位置づけがわかりにくくなります。日本と比べるときは、学校名だけでなく、Gradeの数字も一緒に確認しましょう。
高校にあたるSenior High Schoolは2年間|Grade 11〜12
Junior High School修了後の2年間がSenior High Schoolです。Grade 11とGrade 12が該当し、標準的な年齢は16〜18歳で、日本の高校2年生・高校3年生とおおむね同じ年齢になります。
「フィリピンの高校は2年制」と聞くと、日本より1年早く卒業すると感じるかもしれません。しかし、その前のJunior High Schoolが4年間あるため、小学校入学から高校卒業までは日本と同じ12年間です。
なお、こうした対応は、年齢や修業年数を比べたものです。学習内容や卒業資格が日本の各学年と完全に一致するという意味ではありません。また、海外の教育課程を採用するインターナショナルスクールでは、学校段階の名称や区切りが異なることがあります。
フィリピンの学校の授業・教科・宿題・成績評価の仕組み
学年の次に見ておきたいのが、授業と学習評価です。フィリピンの現地校でも、教科の学習、家庭での課題、テストを通して学びを進めます。一方で、教科の組み合わせや成績の示し方には、日本との違いがあります。
小学校・中学校・高校で学ぶ教科の違い
小学校の低学年では、言葉の理解、読み書き、数や計算などの基礎を学びます。身近な社会や文化を学ぶ領域もあり、学年が上がると、フィリピノ語、英語、算数、理科、社会、音楽・美術・体育・保健などの学習が広がります。
Junior High Schoolでは、言語、数学、理科、社会などに加え、Technology and Livelihood Education(TLE)という技術や生活・職業に関係する分野も学びます。日本の教科名に近いものもありますが、内容や教科のまとめ方まで同じではありません。
Senior High Schoolでは、共通の学習に加えて、進路や関心に応じた科目を選びます。2026〜2027年度から、Grade 11では改定されたStrengthened Senior High School Curriculumが全国で本格導入され、AcademicとTechnical-Professional(TechPro)の2つのトラックを軸に学ぶ仕組みになっています。大学での専門学習につながる科目や、職業技術に関係する科目など、学校が開設する選択科目から履修します。
カリキュラムの切り替えは学年ごとに進むため、同じ年度のGrade 11とGrade 12でも適用されるカリキュラムが異なる場合があります。具体的な教科名を調べるときは、対象の学年と年度を合わせて確認する必要があります。
宿題や提出課題はどのように出される?
フィリピンの学校にも宿題や提出課題があります。計算問題を解く、文章を読んで答える、調べた内容をレポートにするなど、学ぶ内容に応じて課題が出されます。発表や作品制作の準備を家庭で進める課題もあります。
宿題の量や提出方法は全国一律ではありません。同じ学年でも、学校や教科、担当教員によって異なります。「フィリピンの学校は宿題が多い」「宿題がない」と、国全体をひとまとめにすることはできません。
2026年6月に改定されたフィリピン教育省の評価指針では、宿題を練習や復習、次の学習の準備に役立てることが示されています。家庭で取り組んだ課題を成績評価に使う場合には、授業中の質問や実演などで、本人が内容を理解しているか確認することも求められています。
提出物を完成させるだけでなく、「どのように考えたか」「なぜその答えになったか」を自分で説明できることが大切です。
テスト・成績評価と進級の仕組み|合格基準は75
フィリピンの学校では、筆記課題やテストに加え、発表・実技・作品などのPerformance Tasksも評価に使われます。試験の点数だけで成績が決まる仕組みではなく、教科に応じた複数の評価を組み合わせます。
公立校では、2026〜2027年度から改定された評価指針が適用されています。数値評価を行う学年では、各教科の最終成績75以上が合格基準です。この75は通知表上の成績であり、1回のテストで75点を取ればよいという意味ではありません。
一方、低学年では数値によらない記述式の評価への移行が進んでいます。2026〜2027年度はKindergartenとGrade 1で記述式の評価が用いられ、何を身につけたか、どこに支援が必要かを言葉で伝えます。
進級については、数値評価の対象学年では各教科の合格状況を確認します。基準に届かない教科がある場合は、補習や追加の学習支援などを行い、その結果も踏まえて判断します。私立校などはこの評価指針の採用が推奨されており、学校の方針に応じて調整する場合は、所管のDepEd Regional Officeの承認が必要です。具体的な採点や進級の条件は、その学校の規定を確認してください。
フィリピンと日本の学校生活を比較|服装・昼食・学校行事

同じフィリピン国内でも、公立校と私立校では学校生活のルールが異なります。制服姿の子どもを見かけても、すべての学校で着用が義務づけられているわけではありません。服装・昼食・行事を、それぞれ見ていきましょう。
制服はある?公立校・私立校の服装ルール
フィリピンには制服を着て通う学校がありますが、公立の小学校・中等学校では、制服の着用は必須とされていません。制服を持っている児童・生徒は着用を続けられますが、制服を購入できないことが通学の妨げにならない方針です。
ただし、制服が必須でないことと、服装のルールがないことは別です。学習や活動に適した服装で登校することが求められます。
多くの私立校では、指定制服や体育用の服装などを学校ごとに定めています。日本でも制服の有無は学校によって異なりますが、フィリピンについて調べる際は、公立校の基本方針と私立校の校則を分けて理解すると、実際の学校生活を捉えやすくなります。
給食はある?弁当・売店など昼食の取り方
フィリピンの学校では、家庭から食事を持参する方法や、校内の食堂・売店で購入する方法があります。校内の食事販売施設はCanteenと呼ばれ、食事や軽食を扱います。昼食の取り方は学校によって異なるため、日本の学校給食と同じ形を前提にはできません。
一方で、「フィリピンの学校には給食がない」という説明も正確ではありません。公立校では、School-Based Feeding Programという学校での食事支援事業が実施されています。
2026年の教育省ガイドラインでは、幼稚園とGrade 1の児童全員に対象を広げ、Grade 2〜6では栄養状態などの基準に該当する児童への支援も行います。対象や提供方法が定められた事業であり、すべての学年で一律に同じ昼食が出る仕組みではありません。
現地校の昼食を知りたいときは、食事の提供対象、持参の可否、校内で購入できるものを学校ごとに確認すると、実際の様子がわかります。
学校行事や課外活動は日本とどう違う?
フィリピンの学校でも、スポーツ、音楽、発表会など、授業以外の活動が行われます。Intramuralsと呼ばれる校内スポーツ大会もあり、バスケットボールやバレーボールなどを通して、クラスやチームで競う機会になります。実施する競技は学校ごとに異なります。
フィリピンらしい行事としては、8月のBuwan ng Wikaがあります。フィリピノ語やフィリピンの文化への理解を深める取り組みで、学校では詩の朗読、スピーチ、歌や踊りなどの活動が行われます。日本の文化祭と共通する発表の要素はありますが、言語や文化を学ぶ目的を持った行事です。
放課後の活動には、スポーツや芸術のクラブ、学校新聞、生徒会などがあります。ただし、日本の部活動と同じ頻度や参加方法とは限りません。年間を通して活動するのか、大会や行事に合わせて集まるのか、授業後にどのような活動ができるのかは、各校の案内で確認できます。
まとめ|フィリピンの学校制度は小学校6年・中学校4年・高校2年が基本

フィリピンの学校制度は、小学校6年間、Junior High School4年間、Senior High School2年間が基本です。小学校から高校卒業までの12年間は日本と共通していますが、Grade 10が日本の高校1年生に相当する年齢となるなど、学校段階の区切りに違いがあります。
授業や成績評価は学年と適用されるカリキュラムによって変わり、制服や昼食、課外活動は学校ごとの方針も関係します。フィリピンの学校制度を調べるときは、Gradeの数字と、公立校・私立校など学校の種類を確認すると、現地の子どもたちがどのような環境で学んでいるかを理解しやすくなります。
なお、今回紹介した現地校の教育課程と、日本の中高生が参加する英語の語学留学は別のプログラムです。英語を学ぶための留学を検討している方は、ファーストイングリッシュの中学生・高校生のフィリピン長期留学ガイドもご覧ください。
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