フィリピンへ留学すると、街で教会を目にしたり、講師から「日曜日はミサへ行く」と聞いたりして、日本より宗教を身近に感じることがあります。
フィリピンではローマ・カトリックを信仰する人が多く、2020年のフィリピン統計庁(PSA)の国勢調査では、世帯人口の78.8%がローマ・カトリックと回答しています。
ただし、「フィリピン人なら全員カトリック」「毎週日曜日には必ず教会へ行く」という意味ではありません。イスラム教、Iglesia ni Cristo(イグレシア・ニ・クリスト)、プロテスタント諸派など、カトリック以外の信仰を持つ人も暮らしています。
この記事では、フィリピン留学専門エージェントのファーストイングリッシュが、日曜日のミサ、日常の祈り、街で見かける教会、十字架や宗教像など、フィリピンの暮らしに根付くカトリック文化をご紹介します。
Contents
フィリピンではカトリックがどれくらい身近?

フィリピンのカトリック文化は、教会の中だけにあるものではありません。
街を歩いたり、フィリピン人講師と話したりしていると、祈りや教会が日常生活の一部になっていると感じる場面があります。
フィリピンでは多くの人がローマ・カトリックを信仰している
フィリピン統計庁が公表した2020年国勢調査では、約8,564万人、世帯人口の78.8%がローマ・カトリックと回答しています。
フィリピンではカトリック信者が世帯人口の約8割を占めているため、日曜日のミサ、クリスマス、聖週間など、カトリックと関係の深い行事を身近に感じる機会があります。
また、Pew Research Centerが2026年に紹介した2024年調査では、フィリピンの成人の79%が「毎日祈る」と回答しています。
もちろん、同じカトリックでも信仰との向き合い方は一人ひとり違います。毎週教会へ行く人もいれば、特別な行事や家族の節目に教会を訪れる人もいます。
街の中に教会や宗教施設が多く見られる
フィリピンでは、都市部でも住宅地でも教会を目にすることがあります。
マニラのイントラムロスにあるマニラ大聖堂、セブのBasilica Minore del Santo Niño de Cebu(サント・ニーニョ教会)など、歴史的な教会は観光地としても知られています。
一方で、地域の教会でも日曜日にはミサが行われています。
街にある教会は歴史的な建物というだけではなく、現在もミサや祈りが行われている場所です。
教会は観光地ではなく現在も祈りの場所として使われている
フィリピンの有名な教会を訪れると、建物の歴史や装飾に目が向きやすいですが、そのすぐそばで実際に祈っている人がいることも珍しくありません。
マニラ大聖堂では現在も平日・日曜日ともにミサが行われています。セブのサント・ニーニョ教会でも、日曜日に複数回のミサが設定されています。
観光客が訪れる場所であっても、現地の信者にとっては今も信仰の場です。
フィリピン留学中に教会を訪れるときは、ミサや祈りをしている人の妨げにならないように過ごしましょう。
フィリピンの日曜日とカトリックのミサ

フィリピンでカトリック文化を感じやすい日の一つが日曜日です。
カトリックでは日曜日が特別な日とされ、信者にとってミサへの参加には宗教的な意味があります。
カトリックでは日曜日のミサが大切にされている
カトリック教会では、日曜日はキリストの復活を記念する日とされ、信者には日曜日や定められた祝日にミサへ参加することが求められています。
フィリピンでも、日曜ミサに参加する人がいます。
留学中にフィリピン人講師と週末の予定について話していると、「家族と教会へ行く」「朝にミサへ参加してから出かける」といった話が出ることもあります。
日曜ミサへの参加が、家族と一緒に過ごす一日の一部になっている家庭もあります。
日曜日には朝から複数回ミサを行う教会もある
教会によっては、日曜日に一度だけではなく、時間を分けて何度もミサを行います。
たとえばマニラ大聖堂では、現在も日曜日に複数回のミサが行われています。
セブのBasilica Minore del Santo Niño de Cebuでは、早朝から夜まで複数回の日曜ミサが行われており、時間によってCebuano(セブアノ語)または英語が使われています。
同じ日でも複数の時間帯でミサが行われている教会があります。
すべてのフィリピン人が毎週教会へ行くわけではない
フィリピンはカトリック信者が多い国ですが、すべての人が同じ頻度で教会へ通っているわけではありません。
カトリック以外の宗教を信仰している人もいますし、カトリックと答える人の中でも教会へ行く頻度は人によって異なります。
Pew Research Centerが2025年に公表した2024年調査では、フィリピン成人全体の53%が宗教的な礼拝・集会に週1回以上参加すると回答しています。これはカトリックの日曜ミサだけを尋ねた数字ではありませんが、「フィリピン人は全員毎週教会へ行く」とは言えないことも分かります。
講師や友人から宗教について聞く機会があれば、「毎週行くの?」「家族で行くの?」など、その人自身の過ごし方を聞いてみると、宗教や休日について話す会話のきっかけにもなります。
フィリピンでは祈りが日常生活の中にもある

フィリピンで宗教を身近に感じるのは、日曜日の教会だけではありません。
家庭、学校、行事など、普段の生活の中で祈りに触れることがあります。
食事の前に家族で祈ることがある
カトリックの家庭では、食事を始める前に祈ることがあります。
毎回必ず祈るかどうかは家庭によって異なりますが、家族がそろった食卓や特別な日の食事で祈りを捧げる家庭もあります。
フィリピン人の家庭へ招かれたとき、食事の前に家族が祈り始めた場合は、留学生が同じ宗教を信仰していなくても、祈りが終わるまで静かに待つとよいでしょう。
食事前の祈りも、フィリピンで宗教が日常生活と結びついていることを感じる場面の一つです。
学校や行事で祈りに触れることもある
学校や地域の行事によっては、開始前に祈りが行われることがあります。
フィリピン留学でも、学校やイベントによっては祈りの時間に居合わせることがあります。
その場合、留学生までカトリックの祈りを唱えなければならないという意味ではありません。周囲が祈っている間は会話を控え、終わるまで静かに待てばよいでしょう。
学校や行事で祈りの時間が設けられる場合があると知っておけば、実際にその場面に出会っても驚かずに過ごせます。
家庭や車内で十字架や宗教像を目にすることがある
フィリピンでは、家庭に十字架やイエス・キリスト、聖母マリア、聖人などの像や絵が飾られていることがあります。
車内に十字架やロザリオなどを置いている人もいます。
こうしたものは単なるインテリアではなく、持ち主にとって信仰と結びついた大切なものである場合があります。
留学中に講師やフィリピン人の友人から十字架や宗教像、ロザリオなどを見せてもらったときは、勝手に触れたり冗談の題材にしたりせず、相手がどのような意味で大切にしているのか聞いてみるとよいでしょう。
フィリピンの街で感じられるカトリック文化

カトリック文化は、教会の建物だけでなく、街の行事や使われる言語にも表れています。
地域によってミサで使われる言語や宗教行事も異なります。
地域ごとに歴史ある教会があり現在も多くの人が訪れる
フィリピンには、スペイン統治時代から続く教会や、その後再建された大聖堂などが各地にあります。
マニラのイントラムロスにあるマニラ大聖堂は、現在もミサが行われているカトリックの大聖堂です。
セブでは、サント・ニーニョ教会が地域の信仰と深く結びついています。
こうした有名な教会だけでなく、地方都市や住宅地にも地域の人が通う教会があります。留学先の街で教会を見かけると、その地域で宗教が暮らしと結びついていることを感じられます。
英語だけでなく地域の言語でミサが行われることもある
フィリピンのミサがすべて英語で行われているわけではありません。
地域や教会によって、英語のほかにTagalog(タガログ語)やCebuano(セブアノ語)などが使われることがあります。
セブのBasilica Minore del Santo Niño de Cebuでは、現在も英語とセブアノ語の両方でミサが行われています。
フィリピンは英語が公用語の一つですが、日常生活では地域ごとの言語も広く使われています。ミサの言語からも、英語だけではないフィリピンの言語事情が見えてきます。
教会は祈りだけでなく地域の人が集まる場所でもある
教会では通常のミサだけでなく、結婚式、洗礼、宗教行事などが行われます。
クリスマス前のSimbang Gabiのように、多くの人が教会へ集まる、フィリピンで広く親しまれているカトリックの伝統もあります。
また、大きな宗教行事の時期には教会の周辺まで多くの人が集まり、普段とは違う雰囲気になることがあります。
教会は、個人が祈る場所であると同時に、家族や地域の人が顔を合わせる場所にもなっています。
クリスマス時期のSimbang Gabiやフィリピンの年末年始については、年末年始のフィリピン留学で知っておきたい文化|クリスマス・年越し・元日の過ごし方でもご紹介しています。
フィリピン留学中にカトリック文化と接するときは?

フィリピン留学をするからといって、カトリックの詳しい教義まで覚えておく必要はありません。
ただ、宗教が日常生活と結びついている人もいると知っておけば、学校や街で祈りや教会に触れたときにも受け止めやすくなります。
信仰する必要はないが祈りの時間を尊重する
留学生自身がカトリックを信仰する必要はありません。
祈りの場面に居合わせたときも、無理に一緒に祈る必要はありません。周囲が祈っている間は会話を控え、静かに待ちましょう。
相手が大切にしている信仰や習慣を否定せずに接することが基本です。
講師やスタッフとの会話で宗教の話題が出ることもある
マンツーマン授業では、休日の過ごし方、家族、クリスマス、結婚式などから宗教の話題へつながることがあります。
講師が「日曜日は教会へ行った」「家族とミサへ参加した」と話すこともあります。
興味があれば、どのくらいの頻度で教会へ行くのか、どんな行事に家族で参加するのかなどを英語で聞いてみると、英会話の話題にもなります。
ただし、宗教をからかったり、「どの宗教が正しいか」という議論を一方的に持ちかけたりするのは避けた方がよいでしょう。
教会での服装や撮影ルールは現地の案内を確認する
留学中に観光で教会を訪れる場合は、その教会の服装や撮影ルールを確認してください。
肌の露出が多い服装では入場できない場合があり、教会によってはミサ中などの撮影を禁止・制限しています。
入口の案内や現地スタッフの指示に従いましょう。
宗教に関する会話や教会で気をつけたい行動については、フィリピン留学中に宗教や文化の違いで気をつけたいこと|現地で失礼にならない基本で詳しくご紹介しています。
また、教会を訪れる際の服装については、フィリピン留学はTシャツ・サンダルでOK?学校・街・教会の服装とドレスコードも参考にしてください。
まとめ|カトリック文化を知るとフィリピンの日常が見えやすくなる

フィリピンでは、2020年の国勢調査で世帯人口の78.8%がローマ・カトリックと回答しており、カトリック文化を日常の中で感じる機会があります。
日曜日にはミサへ参加する人がおり、教会によっては朝から夜まで複数回のミサが行われることもあります。
また、食事前の祈り、学校や行事での祈り、家庭や車内の十字架や宗教像など、教会の外でも信仰に触れることがあります。
一方で、すべてのフィリピン人がカトリックでも、毎週教会へ行くわけでもありません。信仰のあり方や教会へ行く頻度は人によって異なります。
フィリピン留学では、英語を学ぶだけでなく、日本とは異なる、宗教と日常生活の結びつきを身近に知ることができます。講師やスタッフとの会話を通じて、休日の過ごし方や家族にとっての教会について聞いてみるのも、現地文化を知るきっかけになります。
ファーストイングリッシュでは、学校選びだけでなく、フィリピンの生活習慣や文化についても留学前からご案内しています。
「現地では日曜日をどう過ごす?」「教会を見学するときのマナーは?」「宗教について気をつけることはある?」といったご相談も、お気軽にお問い合わせください。
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